英語圏外の人の発音のクセや苦手な部分を学ぼう!の巻
今日クラスでちょっと面白い授業があったので紹介します。
僕の通っているELL(English Language Learning)クラスには25名程度のクラスメイトがいて、みんなアメリカ在住だけれども、あまり英語が話せない、もしくは全く話せない人達が通っている。
国籍ももちろんバラバラだし、年齢年代もバラバラ。
一番多いのはやはりヒスパニック系の人達で、次に多いのが何とベトナム人(4-5名いる)あとはアフリカ、中東、中国、日本、ロシアと、まぁ小さな人種のサラダボウルがここに形成されています。
クラスの授業では文法や単語、会話やリスニングなど全般的に習いますが、一番難しくて面白いのが発音の授業。どんなに頑張っても出来ない(自分では出来たつもりでも、相手には通じない)単語があったりして、この時間は餌を待つ雛鳥のように皆ピーピーギャーギャー大声で発声する。
これがなぜ出来ないかというと、舌の筋肉の動かし方が分かってないからだそうだ。
身体能力のある野球選手にサッカーのリフティングをさせても出来ないように、こればかりは繰り返し練習をすることが発音上達の道らしい。練習をすることで野球選手でもリフティングが出来るようになるし、僕らだって何度も練習すれば正確な発音(決してネイティブな発音ではなく)が出来る、のだそうだ。全部キャロル先生の受け売りっす。
さて本日先生が持ってきたのが、各国の苦手な発音のまとめ表。クラスメイトの国のものをわざわざ調べてくれたらしい。優しさが目にしみるぜミセスキャロル。
上の画像がその全てですが、見えにくいので文字起こししていきます。これを知っていれば英語を第二・第三言語とする人との会話も結構捗ったりしますよ。
スペイン語スピーカーの苦手な発音
スペイン語を母語とするヒスパニック系の方が苦手な発音が
Long e / short i
これは長いeの発音が、短いiの発音になってしまうということを表しています。
例えば feed や seek 、teamといった単語が短く発声されて。フィッド(ゥ)、スィック、ティムみたいな発音になっちゃう。どうやらスペイン語にはこのeを伸ばす口の動きが無いらしく、結構ペラペラと英語を話すことが出来る人も、ここでは難しそうな顔をしていた。
そんなスペイン語圏の人たちが苦戦する早口言葉
・Fix Mike’s Kite ; feed Meg’s hen
・Pick 6 beaks ; seek big peaks
・Mick’s men met Mike’s team
彼らはこの早口言葉がやはり言いづらいようだった。他の人らは全然余裕、何が難しいの?みたいな顔で笑ってたけど、この後同じ目にあうのよねーアハハハ
あとこれは個人的に感じたのが、ヒスパニック系はYの発音がどうしてもJになっている。日本人なら誰でも言えるであろうYouという単語が、彼らはジューと言ってしまう。
だから一緒に会話しても最初は「ドゥージューノー・・・」みたいに言われて、こっちは???となってしまった。今ではクセが分かったので全く問題なし。
話す方もそうだけど、聞く方も慣れてくれば英会話はどんどん上達するみたい。
アラビア語スピーカーの苦手な発音
アラビア語を話す方々が苦手とするのが
b / p
こちらはPの発声が無いらしく、Bっぽくなってしまう。苦手早口言葉は
・Pat’s bat played with Benny’s penny
・Perry’s berries make peanut butter better
・Peter Piper picked a peck of pickled peppers
これ普通に鬼クラスの難しさだと思う・・・(笑)特に最後のは鬼畜モードで、アラビアンの学生は試すことも無くじーっと紙を見続けてた。。。そらそうだわ、こんなPばっか羅列されたら唇が破裂する。
ロシア語・中国語スピーカーの苦手な発音
ちょっと意外ですがロシア語と中国語の方々は同じ発音が苦手だそう
w / v
これは彼らと話しててすぐ気づいた。wait wall would など、口をすぼめてこもったような音を出すWの発音がVっぽくなってしまう。苦手早口言葉がこれ
・Wild vines make fine vintage wines
・Wally’s volleyball is under the wilted willow
・Wally would win the volley versus Vinny
実はこれ日本人が読むと大抵Vの部分でダメ出しをくらう(笑)そう上歯を下唇に軽くあてる『ヴィ』の発音ですよ。早口で言うと尚更口を動かすのがメンドクサイ!ヴァァァァアア!!
ベトナム語・タイ語・日本語スピーカーの苦手な発音
僕の思うアジア文化って『お箸』だと思うんでアイキャッチはこれにした。
さぁ我らが日本がやってきましたよ、何と何とベトナムやタイとも共通する苦手項目らしい。それがこれだ!
th / s
知ってた!!うん。歯と歯の間に舌を挟んで、勢いでヒュッと抜いて発音するアレですわ。
teeth とか think とか thank youもそう。特にbothのように最後にthがくるパターンはホント苦手!じゃあ早口言葉もいってみましょう
・Six thick thistle sticks
・Nothing is worth a thousand deaths
これね、言えると思うでしょ?でも周りからは「言えてねぇ~」って言われんのよ。初めはゆっくり言ってみて、慣れたら早口にチャレンジしてみてはどうでしょう。舌を嚙み切らないようにしてください。
最後にアメリカ人が苦手な早口言葉
日本にも生麦生米生卵とか東京都特許許可局(これ絶対言えない)みたいな早口言葉があるように、アメリカにも存在します。
・She sells seashells by(on) the seashore.
結構有名な早口言葉で、僕も中学の頃に習った記憶が微かにあった。当時は何のこっちゃ分かりませんでしたが、こんな簡単な英文だったのね。
他には
・The sheriff should shoot slowly
てのがあるみたい。ほうほうどうやらアメリカ人はSやShの発音が苦手と見た・・・ちなみにこっちの方の早口言葉は中国人の得意分野らしく、中国の方は爆速で発声出来ていた。確かにサシスセソやシャシュショのリズムは中国語のそれっぽいもんなー。
でもってあっという間に1時間が経ちまして、授業終了となりました。
発音ってそれほど重要ではないって良く言われるけど、まぁ上手いに越したことはないですよね。英語上達の第一歩はまず音読からとも言われるし、練習していて損になることは絶対にないはず。
細かいところほどネイティブからすると気になる人もいるだろうし。
ちょっと話変わりますけど、英語の発音を研究している教授(日本人)の話で、この方がおっしゃるには日本人の『ん』の発音は実は1つではない、というのを聞いたことがあります。
まずこの2つの単語をササッと言ってみて下さい
・乾電池(かんでんち)
・電圧(でんあつ)
どちらも『ん』の文字が入ってますけど、乾電池の場合と電圧の場合とではその発声方法が違っているのに気付きましたか?
乾電池の『ん』の方は一般的な『ん』ですが、電圧の方はちょっと舌が硬口蓋(口内の上の部分)にヒットして、ちょっと鼻声ぎみになりません?
どうしてそうなるのか専門的な話は僕は分かりませんが、こういった「ネイティブ(この場合日本人)も知らず知らずのうちに使っている特別な発音」てのは色々あるみたいで、そこの差異で違和感を感じたりするんですって。乾電池と電圧・・・・言われるまで全く気にもしたこと無かったよ。
とはいえ、さすがにネイティブスピーカーの発音を目指すのはかなり厳しいので、当面の目標は他国の人にも通じる発音が出来るようになることかな。まだまだ頑張らねば!
C U !
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